Can, could
Canは、日本語では「できる」と覚えることが多いと思いますが、「できる」というイメージがない意味も沢山あります。また、couldはcanの過去形以外の意味で使われる場合も多いだけではなく、canの過去形として使えない場合もあります。
思ったよりややこしいという声が多いcanとcould。ここでは、7つの使い方(意味)をご紹介します。この7つ以外の意味もありますが、生徒さんからご質問いただく事が多いものを選びました。
can, couldの発音とリスニングについて、can, could, can't, couldn'tが沢山出てくる会話文も参考にして下さい。
1. いつもできる(できた)能力
Becky can run 100m in 15 seconds.(現在形:いつも15秒で走れる)
Becky could run 100m in 15 seconds when she was young. (過去形:若い頃はいつも15秒で走れた)
ここまでは問題ないと思うのですが・・・
要注意:
過去にはいつもできたことはcouldを使えますが、過去のある時点にできた話は 、couldは使えません。この場合、managed toやbe able toを使います。その時に頑張った結果できた事と考えてもいいかもしれません。例文を参考にして下さい。
Becky managed to (またはwas able to) run 100m in 14 seconds yesterday.
(または、単にBecky ran 100m in 14 seconds yesterday.でもOK。)
この文は、Beckyが昨日(過去のある時点)できた事で、過去いつも14秒で走れたという意味ではないので、couldは使えません。いつもは14秒で走れないけれど、昨日その時に頑張った結果14秒で走れたという意味です。
ただ、過去ある時点で出来なかったことはcouldn’tを使えます:
Becky couldn’t run 100m in 15 seconds yesterday. 正しい
Becky could run 100m in 15 seconds yesterday. 間違い
2. 可能性あり(選択肢にあり)
そうしたかったら、できるの意味:
You can use this in a microwave.(レンジ使いたかったら使える)
以下の2つは、選択肢にあるという意味にもとれますし、4番の「提案」とも考えられます:
When you come to Japan, you can stay with us.
When you come to Japan, you could stay with us.
過去形は、できたけど(選択肢にあったが)しなかったという意味:
When you came to Japan, you could have stayed with us.
3. 可能性あり(かもしれない)could
この意味(かもしれない)は、less than 50% sureの意味です:
There’s someone at the door. It could be my sister.
(お姉さんかもしれないし、郵便屋さんかもしれないし、お隣さんかもしれない、etc.)
A: Why isn’t Tom here yet? B: He could be stuck in traffic.
(渋滞のせいかもしれないし、寝坊かもしれないし、体調が悪いかもしれない、etc.)
「かもしれない」(less than 50% sure)の意味を表す場合、Canは使えません:
There’s someone at the door. It could be my sister. 正しい
There’s someone at the door. It can be my sister. 間違い
また、このcanはmay やmightを使っても同じ意味になります:
There’s someone at the door. It could be my sister.
There’s someone at the door. It may be my sister.
There’s someone at the door. It might be my sister.
過去形はhaveが登場します:
A: Do you know why Tom wasn’t here this morning?
B: I don’t know. He could have been stuck in traffic. (過去形:今朝の話)
You shouldn’t have lifted a piano on your own. You could have hurt your back.
(過去形:実際は腰を傷めなかったがその可能性があった)
4. 提案(という手もあるよね)
A: What do you want to eat? B: We could have Italian.
(イタリアンって手もあるよね=提案している)
この意味で使うcouldは過去ではなく、現在か未来の意味です。この意味を表す時、canとcouldのどちらでも使えますが、couldの方が確信・確実度が低くなります。しっかり言い切っていないように伝わるので、canよりcouldのほうが丁寧と日本で教えているのだと思いますが、相手との上下関係や親しさの違いでつかう丁寧な言い方とは違いますので、親しい間(家族内など)でもcouldは使います。
また、ネイティヴに聞いてみると、このcanとcouldの違い(丁寧さの度合い)を意識していない人も多いようです。私自身は、自分が乗り気でやりたい時はcanを使い、「こういう手もあるけど、どうかな?」のような気持ちの時にはcouldを使っていると思います。
5. できそうなくらい
実際できないけど、できそうなくらいの状態:
I’m very tired. I could sleep for a week.(1週間寝れるくらい疲れている)
I’m starving. I could eat a horse.(馬を1頭食べられるくらいお腹が空いている)
6. 仮定法
実際は違うが、もしそうだったらこう出来るという意味でwould be able toと同じ意味:
We could buy a big house if we had enough money. (お金があったら買える)
過去形はhaveが登場します:
We could have bought a big house if we’d had enough money.
(お金があったら買えた=実際買えなかった)
7. 感じる(五感)ことができる
I can taste a hint of coriander.(現在形:今の話)
I could smell gas when I came home.(過去形:過去の話)
この場合、can, couldを使わずに言っても同じ意味です。
I taste a hint of coriander.
I smelled gas when I came home.