このミュージック・ビデオの33秒くらいから、'Though nothing, nothing will keep us together'という歌詞が始まり、上記の濃い部分でペロッと舌を出します。横顔なのでどれくらい舌を出しているかよく見えます。
スペリングがTHの場合、このビデオで発音しているように、無声音/θ/か有声音/ð/で発音する場合がほとんどで、どちらも日本語にない音です。
発音方法ですが、「舌を少し出して上下の歯で挟んで息をはく」というような説明が多いと思います。正しいのですが、それだけだとまだ間違えた発音をしてしまう可能性があるので、次の2点にも気をつけて下さい。
1. 息が出る場所に注意
重要なのは、息がどこから出ているかです。舌を歯で挟む理由は、舌と上の前歯の間のすき間から息をだして発音するためなので、いくら舌を挟ん息をはいても、他の所(口の両脇のすき間など)から息が出ていると、THの音にはなりません。
どこから息が出ているか確認するために、発音する時、息をはかずに吸い込んでみて下さい。舌の上(上の歯が触れているあたりから少し奥にかけて)が冷たく感じれば、そこが息の通り道で、この場合、正しいTHの音が出ているはずです。集中した感じで息が出るので、そのまま茶を冷ますつもりで思いっきり息をはいて発音します。
/s/と/z/の発音で息を吸っても舌の上が冷たくなるので、舌を歯で挟んでいる事も確認して下さい。
もし、ほっぺの裏側(舌の奥の方の両側面のあたり)が冷たい場合、そこが空気の通り道なので、THの音ではなくなり、何かをすすっているような音になったりします。もこれは、舌と口の間(両端)にすき間があるからで、THの音より息の勢いも弱めというか広い範囲から息がでます。これだと、お茶を冷ますのにはあまりむいていないかな?とも思います。
2. 確認する点
THの音ができていない場合、次のどちらかの音で発音している場合がほとんどです:
· /s/か/z/で発音している
· /t/か/d/で発音している
「舌を出して上下の歯で挟んで息を吐く」THの発音の、前半(舌を出して上下の葉で挟む)ができていない場合、/s/や/z/になり、後半(息を吐く)が上手くできていない場合/t/や/d/になります。
/s/と/z/は、THの発音と同じようにすき間から息を出す音なので、息の出しかたはそのままで、舌をだす事に注意することで改善できます(上記1番のどこから息が出ているかも確認要)。
また、いくら舌を出しても、急に上の歯を舌からはなして発音してしまうと、すき間から空気がでる時間がほとんどなく、/t/か/d/のような音になります。しつこいようですが、THの音は息がすき間から出るので、息が続く限りこの音を出し続けることができます。でも、すぐに歯を舌から離すと瞬間的な音(/t/や/d/のような破裂音)になります。
まとめると
1. 舌を出して上下の歯で挟む
(舌ので方はほんの少しでも良いですが、練習時は大げさめに出す事をお勧めます)
2. 舌を歯で挟んだまま息をはく
3. 舌と上の歯のすき間から息が出ていることを確認する
また、ここでは、無声音/θ/と有声音/ð/の違いには触れませんでした。とても簡単に言うと、有声音/ð/は歯と舌が触れているあたりでバイブレーションを感じます。ミツバチかなにかがそのあたりにいる感じです。無声音と有声音の違いについては、別の機会に詳しくご紹介する予定です。
練習用にTHの音を散りばめた文章を「f/v、θ/ðの発音練習」というタイトルのブログの後半でご紹介しています。是非ご利用ください!
ちなみに、スペリングがTHでも、普通THの音と言われる/θ/や/ð/で発音しない場合もあります(例:the Thames /ðə temz/テムズ川, Thomas /ˈtɒməs/人の名前のトーマスなど)。
イギリス英語の発音とリスニング力アップに特化したレッスンが好評。
Zoomレッスンなので、世界中どこからでも受講可能です。
興味がある方はお気軽にお問い合わせ下さい。
Kommentare