普段 何気なく使っているカタカナの言葉、英語だと思って使ったら、通じなかったという経験はありませんか?
カタカナ発音をしてしまって通じない場合もあるかも知れませんが、英語ではそんな言い方をしない、すなわち和製英語の可能性もあります。
先日実際あった話ですが、カメラや写真が大好きなイギリス人と結婚した日本人の友達が、自宅の庭にすごくきれいな蝶が羽を広げていたので「シャッターチャンス!」と言ったら、ご主人の頭の上に、はてなマークが10個ほど浮き上がっているのが目に見えるくらい、不思議そうな顔をされたそうです。
そこで今回は、和製英語についてのお話です。
5つの和製英語(または英語と日本語で意味が違うもの)についてのお話の後に、和製英語とその英訳リストを加えました。よろしければ参考にして下さい。
1. シャッターチャンス
英語では、これと同じ意味の単語や表現はなく、「これ写真に撮ったらいいのができるよ」のような意味のIt would make a good photo. や、「きれいな景色だね」などと言ってから、You should take a photo. と言うなど、文章で表現します。
「photo opportunityじゃないんですか?」というご質問をいただいたこともありますが、これは政治家などが「ここで写真を撮られて新聞に載ったら評判が上がりそう」という場面で使われ、日本語で言うシャッターチャンスとはちょっと違います。
例えば、政治家が自然災害地などに行き、そこで小さな子どもが嬉しそうにその政治家に歓迎の花束をわたしたら、その瞬間がその政治家にとっての「photo opportunity」と言うことになります。この表現は、Photo opと省略される場合も多いようです。
シャッターチャンスは、写真を撮る人にとってのチャンスとして使われる事が多いと思うのですが、photo opは撮られる側のチャンスです。
2. シュークリーム
私がイギリスに来た当時、シュークリームと言って、友達に靴クリームを想像させてしまった経験があります。「確かにそう聞こえる!」と思って自分でも笑ってしまいました。
英語では、シュークリームはcream puffと言います。ただ、イギリスではこのcream puffはそれほど一般的ではなく、cream puffって何?という人もいます。
また、cream puff はシュークリームの皮(choux pastry) ではなく、puff pastryを使っている物もあるようなので、cream puffイコール日本のシュークリームと全く同じとは限らないようです。
3. ナイーヴ
日本語のナイーヴは、繊細というような意味で使われると思いますので、英語ではsensitiveが近いと思います。
英語のナイーヴ(naive)は、「経験不足などから人の言うことを何でも信じてしまう」のような意味で、innocentの意味があるので、子供に言う場合は、まだ世の中の事を知らなくて無邪気で純粋という感じになりますが、大人に、ナイーヴと言うのはほめ言葉ではありません。
大人にnaiveを使う例は・・・:
Don’t be so naive. She just wants your money.
お金目当てによってきた女性に本当に好かれていると思っている人に言える文
It would be naive to assume that you’ll be slimmer after taking these pills.
痩せ薬だけ飲めば痩せると信じている人に言うかも知れない文
4. メタボ
私自身、metabolic syndromeの略がメタボだと最近知りました。metabolic syndrome は英語ですが、それほど一般的に使われる言葉ではなく、知らない人も多いようです。ということは、もちろん、メタボと言っても通じませんし、metabolic syndromeと言っても分からない人もいます。
このように、その単語がイギリスなどの英語圏では誰でも知っている単語ではない場合、それが(この場合メタボが)何かを説明しなければいけなくなります。単語力も重要ですが、説明力の方が重要だと思うのはこのような場合です。
ちなみに、NHS (National Health Service) のウェブサイトには、metabolic syndromeは、the medical term for a combination of diabetes(糖尿病), high blood pressure(高血圧) and obesity(肥満)とありました。
イギリスでは、肥満の人のほうがCovid-19の症状が強く出る確率が高いことがわかり、夜9時前はTVやオンラインで糖分や脂肪が多い食べ物の広告をしてはいけなくなるなど、肥満対策の法律などが最近発表されました。主なものは以下ですが、興味がある方はPress releaseで確認できます。
5. スキンシップ
ネイティヴ(英語のブログを書いてくれているSteve)に、「スキンシップってなんだと思う?」と聞くと、答えは「???」でした。
英語にすると、Physical contactが近いと思うのですが、これは、ただ単に肌の触れ合いという意味になります。日本語のスキンシップは、肌の触れ合いによって親近感を深めるという意味で使う場合が多いと私は勝手に思っています。
そこでSteveに、日本語のスキンシップは肌の触れ合いによって親近感を深めるという意味だと説明すると、「いい言葉だね」’I like it’という反応が返ってきました。
このように、英語で近い単語を見つけるより、意味を説明した方がより理解が深まると思うので、説明力をつけるのはやはり重要だなと思います。
とは言え、単語を知っている方が便利な場合が多いので、 和製英語(または、和製外来語)とそれを英語でどう言うかのリストを作りました。
英語ではないものには(外来語)と書いてあります。
和製英語(和製外来語)リスト
あ行
アイスキャンディー ice lolly
アイスコーヒー iced coffee
アイスティー iced tea
アイドル(歌手) pop star が近いかな?
アクセル accelerator
アクセント stress
accentとも言いいますが、発音・音声学ではstressが一般的
アプリ app
アポ appointment
アルバイト(外来語) part-time job
アルミホイル foil
アンケート survey
イメチェン makeover
ただしmakeoverは髪型も洋服も・・・と大きな変化の時に使う
髪型を変えただけなどの場合は、fancied a changeなど
インターホン intercom
ウォシュレット bidet(ウォシュレットは商品名)
エキス essence
エステ facial, beauty salon, aesthetic
OL office worker
ですが、I’m an office worker. は一般的ではなく、
I work in an office. と言ったり、職種(I'm a receptionist.)
または、業界(I work for a bank.) をいう方が一般的
オーダーメイド tailor-made, especially made
オードブル(外来語) starter, appetiser
オープンカー convertible
オープンカフェ sidewalk café 野外での食事はalfresco
オルゴール(外来語) music box
か行
ガードマン security guard
ガソリンスタンド petrol station, service station
カッター craft knife
カフス cufflinks
ガムテープ duct tape
カメラマン photographer
cameramanは英語ではテレビや映画のカメラの方
カンニング cheating, copying
カンパ(外来語) contribution, chipping in
ケースバイケース it depends
ゲームセンター arcade
キーホルダー key ring
ギプス(外来語) plaster cast
クーラー air conditioner
クラクション horn
クラッシック(音楽) classical music
クレーム compliant
コーラ coke
コーラス choir /kwaɪə/
ゴール(マラソンなどの)finish line
コインランドリー launderette
コック(料理人) cook /kʊk/, chef
ココア hot chocolate
CocoaもOK。でも発音は/kəʊkəʊ/でココアパウダーから作る
hot chocolateはチョコレートから作るものだそうです
ゴム rubber 輪ゴムは、rubber band, elastic band
コンセント socket アメリカではoutlet
コンビニ corner shop
コンビニとはちがいますが、一番近いのはこれだと思います
コップ ガラスのコップ:glass、プラスチックのコップ:plastic cup、
紙コップ:paper cup、コーヒー・紅茶用のコップ:cup
さ行
サービス(無料の意味) free, gratis
サイン 契約書などのサイン:signature
有名人にもらうサイン:autograph
サインペン felt-tip pen
サボテン(外来語) cactus
サラリーマン office worker, businessman
I’m a businessman. は言うかも知れませんが、
I’m an office worker.と言う場合は、少なく、
I work in an office. か、I’m a receptionistなどの職種か、
I work for a bank. などの業種をいう場合が多い
サンダル sandals 鼻緒付きのものはflip flops
ジョッキ(ビールの) beer mug
ショートカット short hair(cut)
シール sticker
ジャージ track suit
シャーベット sorbet /sɔːbeɪ/
ジャンル genre /ʒɒnrə/, style
スキルアップ improve skills
スタイル(体の) figure
ステンレス stainless steel
ストッキング tights
日本語ではタイツは厚手の物ですが、薄手のものもtightsで、
stockingは、脚だけしかカバーしないもの
ズボン(外来語) trousers
セーター jumper
セロテープ sticky tape,
Sellotapeはイギリスの商品名なのでイギリスでは通じます
た行
ダース dozen
タイツ tights(薄手の物もtightsなので、tights=厚手とは限らない)
タッパー Tupperware
タレント 職業(comedian, actor)をいう場合がほとんど
celebrity は有名人のことなので、タレントも含め、
作家やスポーツ選手など幅が広い
ダンボール cardboard
ティッシュペーパー tissues
テーマ topic, theme /θiːm/
デマ(外来語) fake news
rumourも近い場合もありますが、rumourは本当の事かも
知れないので、デマとは違うかも・・・
トイレ toilet, ladies, bathroom, looなど
デパートなどで、トイレはどこか聞く場合、
男性はWhere are the toilets? でいいと思いますが、
女性はWhere are the ladies? の方がいい感じ
ドライヤー hair dryer
トランプ(ゲームに使う)cards
トレーナー sweat shirt
な行
ネクタイ tie necktieもOKですが、tieが一般的
ノースリーブ sleeveless
ノートパソコン laptop
ノルマ quota
ノンアルコール alcohol free
ノンシュガー sugar free
は行
ハンドル steering wheel
バーゲン sale bargainは「安い(お買い得)」の意味
パーカー hoodie
バイキング(食べ放題)all-you-can-eat
パジャマ pyjamas
パン(外来語) bread
パンク puncture
パンツ(下着) underpants
イギリスでは女性用はknickers /nɪkəz/ともいう
ビーチサンダル flip-flops(鼻緒付きサンダル)
ピエロ(外来語) clown
ビニール袋 plastic bag
ピーマン(外来語) green pepper
ビラ(広告) flyer
ピンセット tweezers
フライドポテト chips, French fries
プリン crème caramel
フロント(ホテルの) reception
ペアルック matching (outfit)
ベテラン experienced, expert
veteranも使うが日本語のベテランほど広い意味では使わない
ペットボトル plastic bottle
ベビーカー pram, buggy
ベランダ balcony
veranda とも言うが普通verandaはground levelにある
ペンキ paint
ホイル(アルミホイル) foil
ホームページ website
ボールペン ballpoint pen
ポスト postbox
ホッチキス staplers
ホットケーキ pancake
日本のホットケーキはアメリカン・スタイルのpancakeで、
イギリスの物はもっと薄っぺらい
ま行
マイペース my own pace, taking my time
マニキュア nail polish
マフラー scarf
マスコミ media
マラソン running race, marathon
marathonは42.195kmのレースのみに使う
マンション flat, block of flat, apartment
英語のmansionは、かなり大きな家、豪邸
ミキサー blender
ミシン sewing machine
ミス mistake
ミルクティー tea with milk, milky tea
メイク make-up
メリットとデメリット pros and cons
モノクロ monochrome, black & white
や行
ヤンキー hooligan, tearaway
ヤンキーってまだ言うのかな?と思ったのですが、
や行がないのもさみしいので・・・
ヤンキーが、ちょいワルという意味だとしてそれに近いのは、hooligan:大声で叫んだりケンカしたりして迷惑をかける人、tearaway:(イギリス英語)態度が悪くてルールを守らない若者という感じ
ら行
ライブハウス venue
ラップ(台所で使う) cling film
リストラ made redundant, redundancy
redundancyは、restructure や仕事が減った結果の解雇で、
イギリスでは珍しくなく、redundancyを2−3回経験したという
人も少なくありません
リュックサック rucksack/rʊksæk/, backpack
リンス (hair) conditioner
ルーズ(時間に) not punctual
She’s never on time. She’s always late. など、
文章で言う方が一般的
レジ till, till point
レジ係はcashier、銀行の窓口もcahierと言う
レンジ microwave (oven)
レンガ brick
レントゲン x-ray
わ行
ワイシャツ smart shirt, business shirt, dress shirt
ワクチン vaccine /væksiːn/
ワンピース dress
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